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もずのわくわく劇場日記 No.50 「SNAシリーズ Vol.11 」 「シンデレラ even if・・・ そのW」 〜 葉山小姫 嬢のステージより・イメージストーリー 編 〜 バックナンバー ★ [第一話] ★ [第二話] ★ [第三話] [ 第四話 Hotel Blue ] ホテルのドアにカードキーを差し込むと、ドアのレバーは軽く開いた。 彼は部屋の中へ先に入ると、明かりをつけた。 天井に埋め込まれたダウンライト、そしてフロアスタンドの柔らかな明かりが ようこそ・・・と二人の事を待っていたように灯った。 とりあえず彼はテーブルとセットになったイスにすわった。 あとから吸い込まれるようにして、サキが明かりの灯った部屋に入って来る。 サキは彼の座るイスの脇をすり抜け、やはりオーシャンビューになっている 窓のところへ行き、レースのカーテンを開ける。そして額を窓ガラスに押し 当てるようにして、下界の様子をうかがった。 真下には広い道路が走っており、そこには白い光と、赤い光が対面して流れる まるで川の流れのように見えた。一通り見回すと、自分が地上から相当高い 場所にいる事を改めて認識する。 そしてカーテンを静かに引き寄せると、サキの方からポツリと言った。 「静かだね・・・まるで時間が止まっているみたいだ・・・」 サキはクルリときびすを返し、床に敷かれたベージュのカーペットの上を、 ドレスの長いスソを広げるように、銀のサンダルで歩き出し、大きくて広い ベッドの上にそっと腰をおろした。 相変わらず何にも言わない彼の事を、ちらりと見てうつむき、掃除の行き 届いているカーペットに視線を落とした。 「なんか切ないね。さっきの事・・・怒ってる ?」 サキは、ちょっとしたいたずらのつもりで、酔っ払った振りをして彼にした 一連の行動を反省している。しかしそれは、大好きな彼と久しぶりに逢い、 二人で一緒に楽しく過ごせる嬉しさから、はしゃいでしまっただけの事だ。 彼はそんなサキを見てため息をついた。そして微笑みながら静かに言う。 「どうして ? 怒っていると・・・」 サキはしょげている。じっとしたまま彼に言う。 「だってぇ・・・」 そこまで言ってサキの言葉は途切れた。 彼の胸の中には、重苦しい空気が詰まっている。 タイムリミットが近づいていた。 チラリとゴールドのロレックスに目をやると、まもなく午前12時になる。 彼はまたマルボロの箱を取り出し、残り少なくなった中から一本引き出し 火を付ける。少しは気がまぎれると思ったからだ。 「サキ、今日は楽しかったかい ?」 サキは彼の顔を振り返る。 「うん。港の夜景がきれいだったなぁ〜♪」サキの顔に微笑が戻る。 彼もサキの幸せそうな笑顔につられて顔だけで笑う。そしてうつむく。 燃え尽きそうになったマルポロを灰皿でもみ消し、彼も言った。 「オレも楽しかった。いい思い出になったよ。」 サキは彼の言葉が過去形になっている事が、不思議でまじまじと彼の顔を のぞき込んだ。何でなのか判らない。 「思い出になったって ? どういう事 ? ヘンよ? まだこれからじゃない まるであたしたち終わっちゃう見たいじゃない。おかしいよぉ ?」 彼はサキの視線を避けるようにしてイスから立ち上がると、窓へ向かって 歩き出す。そしてカーテンを開けると、開かない窓ガラスを透かして遠く を見ている。 「ねぇ、どうかしたの ? 冗談なら止めてよ。とても悪い冗談だよ、 そんなのって。まださっきの事怒ってるんでしょ、それならあたし あやまるよ。ゴメン・・・あたしホントは酔っ払ってなんかいな かったし、あなたに甘えたかったんだ・・・ ほったらかしにされてた分まで、あなたに甘えて見たかっただけ。 ほらぁ、こんな風にあなたにしがみついて・・・」 サキはベッドから立ち上がると、彼の後ろからしがみついた。 とてもきつく抱きついて、彼の背中に頬をくっつけた。不安な気持ちを 彼の背中に押し付けた。彼のコロンの香りが甘く、切なく香った。 彼はそんなサキの事を振り返り、抱き寄せた。サキの小さな体が震えてる。 いじらしかった。彼はサキの額にかかる髪を手で上げて、額にくちびるを そっと寄せた。そして、落ちかけた口紅をたどるように、くちびるを重ね 合わせた。腕の中でサキの温かなぬくもりが伝わって来る。彼が支えて いないと、サキは崩れ落ちてしまうような気がした。 彼はサキを抱きかかえ、ベッドの上へと運び、ゆっくりと降ろした。 ベッドがきしむ。彼はサキから離れた。サキはベッドの上から、じっと 彼の事を見つめている。再びテーブルとセットになっているイスに座り、 彼は彼の言っていた「サキにとっても大事な話」をする時が来たのだと、 心の中で自分自身に言い聞かせた。 次回へ続くぅ〜♪ (ToT) --------------------------------------------------------------------- ●もずさんより このイメージストーリーは、葉山小姫 嬢の出し物より、ダンスパートが終わ って、ベットに入った所のシーンから、もずさんがイメージを膨らませて書 いているものであり、実際の人物・ロケーション・ましてや葉山さんの話を 書いている訳ではありません。葉山小姫さんのベットがすごく良かったので もずさんが勝手な妄想を書いているだけの事です。あしからず・・・ |