屋根裏談話室

#1 踊り子の応援隊と言う人々

地下アイドルの追っかけ、俗に言う「キモオタ」。旅回りの大衆演劇や宝塚歌劇団、ジャニタレ、イケメン演歌歌手などの世界には「追っかけ」と呼ばれる人々が必ずいるのである。ストリップの踊り子にもまたしかりである。踊り子一人一人にほぼ応援隊、応援さんと言う人々が寄生している。「寄生」などと書くと語弊や誤解が発生するかも知れないが、要はその踊り子専属の強烈なファンの事である。

私がストリップの世界で「追っかけ・応援隊」として暗躍・活躍していたのは、1997年から2015年までの間の18年間であった。ただ私の場合は「追っかけ・応援隊」になりたくてなった訳ではなく、行きがかり上そのようになってしまったと言う方が正確かも知れない。

「追っかけ・応援隊」と言う人々は、大別すると特定の劇場について毎日のように足しげく通う「劇場の常連さん」と呼ばれる人と、特定の踊り子に魅了されてその踊り子が出演する全国のストリップ劇場に駆けつける熱心な「応援隊・応援さん」とに分けられる。もちろんその中間の動きをする人たちもいるが、そう言った人たちは基本的に「常連さん」と呼ばれるのである。

このサイトでは主に「応援隊・応援さん」と呼ばれる人たちにスポットライトを当てて行くつもりである。なぜならば、面白い人がたくさんいるからである。

さてさて、まずは自分自身の事から話を始めようと思う。私自身が「ストリップ」と言うものを知り、興味を持ったのは私が小学生の頃。もちろんテレビ番組、ドリフターズの「8時ダヨ! 全員集合!」の中で加藤茶が演じたコント「チョットだけョ、アンタも好きね。」と言いたいところだが、さにあらず。

渥美清のテレビドラマ「ヨイショ!」だったか「泣いてたまるか!」だったかドラマの名前はよく覚えていないが、そのドラマの中で「男なら女の裸見てビビッてたらダメだろう! よしオレがストリップ小屋連れて行っていやるから修行しろ!」と渥美清が黒沢年男に向かって言う場面があり、近所のおじさん連中まで「オレも修行したい!」と言いだし、みんなでゾロゾロと渥美清に連れられてストリップ小屋に入場する。

その時にストリッパー役を演じたのが確か・・・ 春川ますみだったような気がする。ガチじゃん!

で、場内に入ってストリップを皆で見る訳だが、渥美清はその踊り子と馴染みのようで「こいつは女の裸見るの初めてだからよろしく頼む。」と言うと踊っていた踊り子が舞台上から「あらまぁ、じゃぁよく見て行ってね。あなたなんて言うお名前?」と問いかけると黒沢年男がその場でスク! と立ち上がり緊張してコチコチになって「はい! 〇× ★男と申します! 本日は修行に来ましたので何分よろしくお願いします!」と本名(役名)を叫んでしまう。踊り子はクスクスと笑いながら「生真面目な殿方ですわね。」と場内が大爆笑する。

そんなテレビ番組がその時代には普通にゴールデンタイムで放送されていた。もちろん白黒放送であり、私もまだ小学校に入ったくらいの子供だったが、そのテレビドラマの場面が深く脳裏に刻み付けられ、ストリップってああ言うものなんだぁ、女の人が着物を脱いで股を開いて「どうぞ。」って言って、お客さんに見せてくれる・・・ そうなのかぁ・・・

ストリップにハマったって訳じゃなく、あのドラマのワンシーンを見て「ストリップと言うものがこの世にはある。」と知ったと言う事である。男はなぜ女の人の裸を見るとヘンな気持ちになるのかも良く分からない頃の話。そんな事から「ストリップ」と言うものがどんなものかを知り、女の裸と言うものに興味を持ち、昼下がりに放映されていたメロドラマをすごい期待を持って見るようになったものだった。

それ以降はプレイガール、11PM、女の60分、トゥナイト、海賊チャンネル、エキサイトナイトなど、成長するにしたがって過激な番組を見るようになる訳だね。そう言う経緯で山本晋也監督が良くストリップ劇場の紹介やら、踊り子さんへのインタビューなどを放送していて、よりストリップと言うものを意識していた。でもまだその頃私は中学生、ストリップ劇場へ行ける年齢ではなかった。ただその頃大活躍していたのが元祖アイドルストリッパー「美加まどか」しばらく年を進んだところで浅草ロック座・二十歳の美少女踊り子「雅麗華」、この二人の踊り子がいずれ私が参入するストリップ界への足掛かりとなるのである。続く・・・

(2020.08.04)

#2 時は来た! 初めてのストリップ小屋で見た世界(前編)