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もずのわくわく劇場日記 No.160-5
2006年 8月20日 ライブシアター銀映 楽日 史上最強のチーム・アンサンブルローズ!続きの続きの続き♪ ファイナル作品「エリザベート」もはやストリップを超えた伝説的名作! いまライブシアター銀映の舞台で涙の封印? 新庄愛は? 渡辺理緒は? これからどうなる! どうする! 非常に危険なので、夜中に決して一人で、見ないで下さい! 期間限定・超豪華特典付きレポートここに公開! 第三景 友達
エリザベートとフランツヨーゼフの結婚から、どう言う訳かハプスブルク家の運命の歯車は、微妙に噛み合わなくなって行った。なぜか夕暮れ時の結婚式、すれ違う夫婦の生活。ハプスブルク家を包み込むように、徐々に闇が広がって行く。だがそれは・・・ まぁいい、事の仔細はやがて明らかになる、先へ進もう。 暗転したままの舞台に突然、母を呼ぶ声が響く。暗い・・・ 「ママーッ!」 そう、エリザベート皇妃とオーストリア皇帝・フランツヨーゼフの息子、ルドルフ皇太子の声だ。まだ幼い皇太子ルドルフは、母の恋しい年頃。けれども、父・フランツヨーゼフは子供の教育のため、軍人として厳しいしつけをし、母のエリザベートは、温泉治療と称して旅に出て、長く宮殿を留守にする事が多かった。 しかしそれは口実であり、幼い皇太子・ルドルフは、歯車の噛み合わなくなった夫婦の一面、犠牲者とも言えた。幼いルドルフは、いつも広い宮殿の中で一人ぼっちだったのだ。 ルドルフは淋しさに耐えかねた時、いつも歌を歌ってその淋しさを紛らわしていた。 ♪ママお部屋は、真っ暗なんだ、目が覚めると怖いんだ・・・ 泣いても誰も来ない・・・ ボクはひとりぼっち・・・ 母を恋しく思いながら、今日もルドルフはひとりで歌っていた。 その時! フワッっとステージに淡い光が灯り、その明かりの中に人影が浮かぶ。 ♪ママには聞こえない・・・ ルドルフの背後から聞いた事のない男の声がした。ビックリしたルドルフは、クルリと振り向く。 「だれ?」 ♪友達さ、読んでくれれば来てあげる・・・ 必ず・・・ 友達だと歌いながらステージに現れたのは、そう、黄泉の国の帝王・トート閣下の渡辺理緒である。 トート渡辺は、シモテから歩きながらステージ中央でふと立ち止まり、意味深な笑いを顔に浮かべ、正面を見据えて腕を組み、考え込むしぐさ。一体どんな悪巧みを考えているのか? そして一言。 「今に死にたい時が来る・・・」 死にたい時が来る? 誰が? それはエリザベートか? 皇帝・フランツヨーゼフか? それとも、幼い皇太子・ルドルフの事なのか? いづれにせよ、エリザベートの愛を手に入れるため、トート閣下・渡辺理緒は自分の目的のために手段を選ばない男。トート閣下・渡辺理緒はいつでも闇にひそみ、闇の中からエリザベートの事を見ている。 トート閣下・渡辺理緒はステージから花道まで、二、三歩歩き、斜にかまえて立ち止まる。BGMの切れる音に会わせてジャン! と顔だけ正面を振り向く! パッ! と照明が落ちて暗転、第三景が終わる。 いよっ!リオさんカッコいい♪ 第四景 ルドルフの悲劇・闇が広がる 暗転しているステージに、すっかり成長した皇太子・ルドルフと父の皇帝・フランツヨーゼフがやり取りするセリフだけが流れる。客席では真っ暗で、何も見えないから嫌がおうにも耳を澄まして、その親子のセリフを聞くしかない。 父上、なぜお解かり頂けないのですか、このままではハプスブルク家は倒れる! 古き帝政を廃し、新しいドナウ連邦を作る! 諸民族を抑えるにはこれしか方法はありません! ルドルフ! いつからお前は急進派の手先になったのだ! 寄りによって皇太子からそのような言葉を聞こうとは。私が生きている限り、ハプスブルク600年の歴史は途絶えさせない! 父上・・・ 考えを改めないのなら、皇位継承は考えなおさねばならぬ! ( ̄ロ ̄;) こわぁ〜! って、何が怖いかって? このセリフ全部覚えてて、何も見ずにスラスラ書けちゃう自分が怖い。(爆♪) 最近スター不在の宝塚歌劇団、宙組と雪組の女役決まったらしいね。 まぁ、それについての解説は、渡辺理緒さんにゆだねるとして・・・ 真っ暗だったステージにスーっと照明が入る。 花道真ん中あたりに紫のシャツと白いスラックス、黒いロングブーツのルドルフ・新庄愛! おや? 今回はカツラをかぶってるね? どこかで見たような・・・ジャズマニア? それは秘密です♪ が力なくたたずみ、苦悩に満ちた表情。 そして、ステージ中央の大階段にルドルフ・新庄愛を見下ろすように、トート閣下・渡辺理緒がじっと立っている。黒い霧がジワジワと広がっていくような、ピアノのフレーズがリフレイン。 ルドルフ・新庄愛は、今にも倒れそうな揺ら揺らとした足取りで、舞台にある大階段の前で落胆し、片ヒザを落として崩れる。その一部始終を見ていたトート閣下・渡辺理緒が動き出す。ルドルフ・新庄愛を見下ろしながら、階段をゆっくりと下り、カミテ側からルドルフ・新庄愛を回り込むように歩く。 ♪長い沈黙の時は終わったのさ、キミは思い出す・・・ 子供の頃のあの約束は、キミが求めれば現れる・・・ ルドルフ・新庄は苦悩と迷いの中で、悲嘆に暮れていた。どこから現れたのか、昔幼い頃に一度出会った事のある、友達がやって来てくれた。そうだ、どこの誰かは知らないが、彼は約束を守ってくれたのだ。座りこんだまま彼の事を見上げると、彼は優しく手を差し伸べてくれた。 ♪友達を忘れはしない、ボクは今、不安で壊れそうだ・・・ と彼の手を両手でしっかりと握り締めると、彼・渡辺理緒はルドルフ・新庄愛の手を引き上げて立たせてくれた。やり場の無い無念さと焦燥、失望と悲しみにあえぐルドルフ・新庄愛は、友達である彼・渡辺理緒に懸命にその想いを訴えかけた。彼ならば今この自分の気持ちを受け止めてくれると思ったのだろう。 それに対して彼・渡辺理緒は、微妙な微笑を浮かべながらルドルフ・新庄愛に言う。 ♪そばにいてやろう・・・ ルドルフ・新庄愛と彼・渡辺理緒はお互いに向き合い、手に手を取って友情を確かめ合い、右手、左手とカラダを交互に反転させながら、死のデュエットを歌う。ここがこのエリザベートでの名場面の一つ、印象深いシーン。 ♪闇が広がる 人は何も見えない 誰かが叫ぶ 声を頼りにさまよう・・・ 突然! ルドルフ・新庄愛の背後に回りこんだトート閣下・渡辺理緒は、後ろからルドルフ・新庄愛を抱きしめる。それはきつく、まるでルドルフ・新庄愛の自由を奪うか、魔力によって洗脳し、闇の世界へ引きづり込もうとかと、そのタイミングを図っているかのようなしぐさである。 しかしルドルフ・新庄愛は、まだそれに気が付かない様子だ。 ほら! ルドルフ、後ろを振り返れ! トート閣下・渡辺理緒が不気味な含み笑いをしているぞ! しーっ! うるさいぞ、誰だお前は? ルドルフに感づかれるではないか! ルドルフが危険だ、黙っていられるか! 愛ちゃーん! ん? なに? さっきチームショー始める前、リオったらあたしに何て言ったと思う? アンサンブルローズ最後のショーだから、気合入れて頑張ろうね! って言ったら 「ハラ減った♪」って・・・ あのなぁ・・・ (- -; ♪世界が沈む時、舵をとらなくては ボクは何も出来ない、縛られて・・・ 新庄愛が芝居の世界にのめり込んで、感情移入の深い演技に没頭している。 まだ決心のつかないルドルフ・新庄愛に苛立ちを覚えたトート閣下・渡辺理緒は、ルドルフ・新庄愛の肩を抱き、背中から後押しするようにあおりたてる。 ♪不幸が始まるのに、見ていていいのか 未来の皇帝陛下(我慢できない!) 闇が広がる、人は何も知らない 闇が広がる、革命の歌に踊る 闇が広がる、この世の終わりが近い・・・ トート閣下・渡辺理緒は、ルドルフ・新庄愛の背中に腕を回し、引き寄せると「死の接吻」をしようとする。だが、ルドルフ・新庄愛はその手をはねのけて、トート閣下・渡辺理緒に背中を向ける。往生際の悪い奴だと冷笑したトート閣下・渡辺理緒はさらにおある! ♪見過ごすのか? 立ち上がれよ! 王座に座るんだ!(王座?) 闇が広がる、今こそ立ち上がるのだ! 沈む世界を救うのはお前だ! 闇が広がる、皇帝ルドルフは今立ち上がる! いつまでも煮え切らないルドルフ・新庄愛にシビレを切らしたトート閣下・渡辺理緒は、とうとう本性をむき出しにして、ルドルフ・新庄愛を追い詰める! ここからはセリフも歌も無いダンスオンリーの無言劇である。それでも尚且つ、そのストーリーが浮き彫りにされるダンスパフォーマンスは絶妙としか言いようが無い。それぞれの動きを事細かに描くのは困難なので、私流に文字に起こしてみよう。 この場面を文章で表現するならば、大きく張りめぐらされた蜘蛛の巣に、かげろうが一匹飛んで来て、貼り付いてどんなに暴れようとしても身動きが取れず、逃れる事が出来ないでいる所へ、ワナにはまった獲物に、黒い蜘蛛がゆっくりと近づいて行く。かげろうの命は、もはや風前のともし火。みずからの運命を呪い、静かに最期の時を受け入れるしかない。五里霧中、四面楚歌、ルドルフ・新庄愛と帝王トート閣下・渡辺理緒のお互いの立場の明暗が鮮明に露呈する。 さぁ、もういいだろう・・・ 最期のダンスはこれで終わりだ。 必死になって逃げようとするルドルフ・新庄愛に、黄泉の国の帝王・トート閣下・渡辺理緒は、観念しろ! と言うように、トート閣下・渡辺理緒を振り返るルドルフ・新庄愛の前に立ち、両手を高く拡げてルドルフ・新庄愛の事をひざまずかせる! そして激しく岩に打ちつける、怒涛のごとき津波が砕け散るような勢いで、ルドルフ・新庄愛を圧倒する。 思わずその勢いに打ち負かされたルドルフ・新庄愛は、背中をのけぞらせて身をひるがえす。 弱者のささやかな抵抗は、狂おしく切ない。ルドルフ・新庄愛は無意識に、トート閣下・渡辺理緒の腰にすがりつくが、トート閣下・渡辺理緒はそれを冷酷にはねのける! 「あぁ!」 ルドルフ・新庄愛は小さく声を漏らすと、弾き飛ばされ、ゴロゴロと床の上を転がり、やっとの思いで立ち上がると、フラフラとトート閣下・渡辺理緒の元へ人形のように操られ、引き寄せられた。 トート閣下・渡辺理緒は背後からルドルフ・新庄愛の肩をそっと抱く。 「さぁ、思い残す事はないな?」 ルドルフ・新庄愛の耳元で静かに囁き、ピストルを差し出す。ルドルフ・新庄愛は、物の怪に憑かれたような焦点の定まらない眼でぼんやりと正面を見たまま、何の躊躇もなく差し出されたピストルを手に受け取った。 「もう、生きるあても無い・・・」 ドキューン! ルドルフ・新庄愛はピストルの重い引き金を引いた。 一瞬にしてルドルフ・新庄愛の体から力が抜け、それをトート閣下・渡辺理緒が背中から支える。そしてルドルフ・新庄愛を自分に向き直らせたトート閣下・渡辺理緒は、無表情のままルドルフ・新庄愛に、そっと「死の接吻」をする。時が氷結し、どこから響くのかゴーン! ゴーン! と言う時計の鐘の音が鳴る・・・ ここで、トート閣下・渡辺理緒の登場する場面を思い出して欲しい。 ♪人の命を奪って、もて遊ぶのさ冷たく・・・
ただ一つの過ちは、皇后への愛だ・・・
と歌いながら登場したはずだ。そう、トート閣下・渡辺理緒は、エリザベートの愛を手に入れるために、ルドルフの命さえも奪ったのだ。その犠牲となったルドルフ皇太子、思えば幼き頃よりいつも誰かのために犠牲となり、耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び、若くして孤独の自殺・・・ ルドルフは自分なりに、オーストリア帝国とハプスブルク家の行く末を案じ、その存亡を危惧して他民族国家ゆえの騒乱を収めようと、自ら急進派の旗印となり、改革に奔走した。だが、父・フランツヨーゼフにはその思いは理解されず、また美貌とイニシアチヴで民衆の支持を勝ち取り、ハンガリーの民族紛争を収束させた尊敬する母、エリザベートなら自分の想いが受け入れてもらえると信じたが、父へのとりなしはおろか、相手にさえしてもらえず孤立した。そして「友達」として信じたトート閣下にも利用され、自殺へと導かれたのだ。 ルドルフ・新庄愛の命を奪ったトート閣下・渡辺理緒は、もうこいつには用がないと、黙ったまま闇に紛れてシモテに姿を消す。ピストルを手に持ったまま、支えを失ったルドルフ・新庄愛は、ステージ中央で崩れ落ちて仰向けに横たわる。照明に照らされたまま、ルドルフ・新庄愛はステージで動かない。 ♪あなたね? 息子を奪った・・・ これ以上待たさないで、苦しめないで・・・ あげるわ、命を 死なせて・・・ と言うエリザベートの深い悲しみの歌だけが聞こえて来る。 そして静かにステージは、暗闇に葬られるのだった。 その闇のどこかでトート閣下は満足げにほくそ笑んでいたのだろう。 さぁ、ここまでが「エリザベート」の物語の前半のステージ、ACT 1 であります。 ステージはこのまま休み無くどんどん進んで行くのでありますが、私はレポ書き少々疲れたので、小休止♪ コーヒーでも飲もう(^o^) この後、エリザベートの運命やいかに! アンサンブルローズの超大作!「エリザベート」、レポートの準備が調うまで、しばしお待ち下さい。バイバイ♪ |