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もずのわくわく劇場日記 No.141-3
2005年 6月 10日 川崎ロック座新庄愛&渡辺理緒 TEAM SHOW! アンサンブル・ローズ レパートリー Vol.5 「運命の二重奏(ディユエット)」 楽日・ステージレポート第二景 第一景で、若侍・新庄愛を生け捕りにし、拉致して闇の中へと逃げた蜘蛛女・渡辺理緒。 時は流れ、新庄愛は魔の国で、いかなる洗礼を受けたのだろうか。 ガガーッ! と雷鳴がとどろき、大きな柱時計が、カチ・カチ・カチ・・・ 時を刻み続ける音が低く大きく響く。そして、ボーン♪ ボーン♪ ボーン♪ 古めかしく時を告げる古時計。 ところがこの時計、どこかヘンなのだ。カチ・カチと時を刻んで行く音は未来へと進むのではなく、時を刻めば刻んで行くほど、過去へとどんどん戻って行く。今の時刻は12時半であるが、これは過去の12時半である。ではいつの12時半なのだ? その答えはこれから明らかになる。 第二景では二人の魂は仲良くコンビを組み、1954年のアメリカに現れる。 ここはショービジネスのメッカ、ラスベガスのショーパブ。 しかし、華やかな喧騒渦巻く繁華街ではない。 ネオンの明かりも届かない、とある場末のショーパブである。 街灯もまばらなひっそりとした裏路地に、ポツンと一軒だけ営業している店、こんな時間なのにその店には、次々と足を運ぶ客がいた。 その店の名は「CLUB・アンサンブルローズ」 では私達もその店の中へ入ってみよう。「バムッ!」←ドアを閉める音。 表の様子からでは、それほど流行っている店とは思えないが、中へ入ってみると、あまり広いとは言えないが、そこは不思議な熱気を帯びた空気が充満している。一体こんな夜更けにここで何があると言うのか、その辺りにいるこの店の常連と思われる客に聞いてみよう。 「なんだって!? お前さん達、何にも知らないのかい。それなら教えてやってもいいが、その前に・・・ お〜い! オヤジ、ビールだ。カネはこいつらにツケといてくれ♪ あぁ、この店で何があるかって話だったな。」 そう言って客はこんな話をしてくれた。この店には、店の名前と同じ「アンサンブル・ローズ」と 言う二人組みの、若い男のコンビがいて、その二人の踊る ダンスと来たら、それはもうカッコ良くてため息が出る程 のものだ。 その二人の全身から繰り出されるダンスは、見る者の魂を 震わせ、熱く燃やし、昼間たまったウサを、どこかへ すっ飛ばしてくれる絶妙なダンスなのさ。 この店にやって来る客達は、シャバの堅苦しい掟から体 半分はみだしたヤツばかり。 中には「今週は日曜日が二回あるぞ!」 と口走って会社で冷たい視線を浴びせられたヤツもいる。 そんな奴らがこの店「CLUB アンサンブルローズ」に集まってバカ騒ぎ! みんな心を開放したいのさ、上司も部下もありゃしねぇ、この店にあるのは・・・ そう、この店にあるもの、それは「愛」さ! ウウウウ〜♪ ウウウ・・・ウウウ〜♪ ダリララ〜 ダリララ〜♪ ハァ〜ン ハァ〜ン・・ どこか寂しげな、女のため息のようなスキャットが流れ出し、ヒステリックなバイオリンのテンポの速い旋律が神経を逆撫でる。ジプシーバイオリンかと思いきや、パパパッ♪ パラパッパッ♪ とブラスセクションのきらびやかな音色が、合いの手を入れると、ステージに現れたのは「CLUB・アンサンブルローズ」の看板ダンサー、新庄愛と渡辺理緒だ。 BGM の曲調は軽やかなイカした流れになり、そのリズムに反応するように、二人のダンサー達はステップを踏み出した。 ブラウンハットにブラウンベージュのYシャツ、サスペンダーで肩から吊り下げたゴールドのパンツに、スレンダーな体。どこにあれ程のエネルギーがあるのかと思われるくらいの、パワフルでしなやかなクールダンシング! シモテに新庄愛、カミテに渡辺理緒。二人横一列に並んで腰を振ってのショーダンス! ゴキゲンな二人は口びるの両端をキュッ! と上げて微笑みながら、楽しそうに踊る。お客達はそのゴキゲンなダンスに目を奪われながら、無心に手拍子を叩き、過ぎて行く時間を忘れ、仕事を忘れ、家庭も忘れ、今ここで踊る新庄愛と渡辺理緒を、マリオネットをあやつるように手拍子で踊らせている。 二人のコンビネーションは、心地良くシンクロしながら場内を、別世界へといざなって行く。 もはや悩みなどこの世に無いだろ? さぁ、あたし達についておいでよ♪ そう背中を押されるような気がして来た。 It's show time ♪ ![]() この場面は第一景のストーリーから抜け出して、ただ、ただ、新庄愛と渡辺理緒のポップで歯切れの良いショーダンスを楽しめば良いのである。今回のアンサンブル・ローズのステージは、全体的な流れがストイックなストーリーに傾いているので、第二景ではストーリーを思考の中で探るよりも、頭を休めて目に映るアンサンブル・ローズのショーダンスを楽しもう。 そのためにわざわざ創った場面なのだから♪ ステージの最前部で新庄愛と渡辺理緒が並び、肩をすぼめて対角線にキュッ! キュッ! と小刻みにリズムを刻み、それぞれの黒いダンスシューズをゆがませて、ステージの床を踏み鳴らす。新庄愛のシューズは、かかとが低めのスタンダードタイプ、それとは異なって渡辺理緒のシューズは、かかとの高いハーフブーツタイプ。足元を見ているだけでもワクワクするのだ。まさに靴さえ踊る魅惑のダンスだ。 シモテのソデから二人そろって木製のイスを持ち出し、花道よりシモテ側に二つ並べ、イスの後ろに時計まわりに回り込み、二人そろって長い脚を振り上げて、イスの背もたれの上から足を下ろす。BGM のカリビアンなリズムに合わせて体を左右に小さく揺らしながらのパフォーマンス。 すると今度はそのイスの背もたれに手を置き、イスを回り込んで前に出る。するとイスの前で軽やかに踊りながら、二人とも左足を後ろにスッ! と伸ばし、今まで使っていたイスを、押し下げて笑う。笑うと言ってもヘラヘラ顔で笑うと言う意味ではなく、TVの業界用語で言うところの「かたずける」と言う意味である。別にそんな業界用語をここで持ち出す必要は、まったく無いのだが、言葉を覚えるとすぐに使ってみたくなるのが、私の悪いクセ。(爆♪) ステージの小道具さえも、ダンスの振り付けとしてしっかりと、踊りながらかたずけてしまうと言うのも、アンサンブル・ローズの頭のキレるところ。ステージのアイディアが泉のように沸いて出て来ると言うのには、いつも感心してしまう。 そんな小気味良いダンスステージを楽しんでいると、時間はあっ! と言う間に過ぎて、この景の最終場面になる。BGMがエンディングを向かえるちょいと前に、新庄愛と渡辺理緒は、舞台装置のキャタツに張ったカーテンを手で開けて、それぞれ左右の小部屋? の中に消える。 BGM はその隙間を埋めるように、ピアノソロだけが短く流れている。するとボーン♪ ボーン♪ と時を知らせるあの古時計の音が聞こえる・・・ カーテンを透かして見えるその小部屋の中では、新庄愛と渡辺理緒が、着ていた衣装を素早く脱いで、次の第三景の衣装に急いで着替えていた。 なるほど、一つの舞台装置を上手に使い分けて、色々な場面を演出しているのか。よく考えられていると思う。言ってみれば、踊り子の舞台裏での早や替わり、楽屋風景をちょっとのぞき見ているようにも思え、それなりに楽しめるシーンでもあると思った。 いよいよ次回、第三景へと移る! |