屋根裏談話室

#4 時は来た! 初めてのストリップ小屋で見た世界(後編)

長い間哲学的疑問については論より証拠と言う事で謎は氷解した。初めて本物のそして実物の「女の裸」を目の当たりにしてすっかり喜びと感動に満たされている。そこでふと気が付くと、すべてを客席にさらけ出したブロンドの踊り子キャロラインは舞台袖へと消えて行った。これでショーが終わったのだと理解していた。ところがすぐに照明が舞台を照らし出すと、再びキャロラインが登場した。しかも真っ裸のスッポンポンで、手にはガゴを持っている。一体何が始まるんだろう。

たどたどしい片言の日本語でキャロラインがしゃべった。「一枚500円、オスキキナポーズデ撮レマスヨ。」と言ってカメラをブラブラと揺すっている。私は何を言ってるんだろうかと意味が分からなかったが、またしても値切りのオジサン先輩が「おーい、こっち、こっち!」とキャロラインに手招きしながら呼んでいる。すると「一枚500円ネ。」と言ってこっちへやって来た。オジサン先輩は千円札を差し出して「2枚な。」キャロラインはその千円札を受け取った。

「ドンナポーズニシマスカ。」するとオジサン先輩は「ここに座って両足おっぴろげてくれ。」と、なんとも品の無いお下品な事をキャロラインに向かって言った。キャロラインは「You are a horny person, I just sit down and open my legs. ハイハイ!」と言って、オジサン先輩の言う通りに舞台の前まで来て床に尻をつき、両足をおっぴろげた。その有様を隣で見ていた私はなぜか罪悪感を覚えた。キャロラインさんに何てことをさせるんだ! 同じ日本人として恥ずかしい!

キャロラインさんは左手に千円札を握りしめながら両足をおっぴろげたまま静止している。だがオヤジ先輩は中々カメラのシャッターを押さない。なぜだ? しびれを切らしたキャロラインさんが「Take a picture quickly, it will dry up! ハヤク!」と催促すると、オジサン先輩が「い~眺めだなァ~。」と渋々シャッターを押した。私も女のあそこをじっくりと観察する事が出来た。女のここってこんなに複雑なつくりになっていたのか、ちょっとグロイな。

カメラがジィ~と言う音を立てて、真っ白い紙が押し出されてきた。ポラロイドカメラと言うやつである。テレビで放送されてたストリップ小屋にはこんなの無かった。いや、本当はこう言うのやってたのかも知れないが、この情景はさすがにテレビでは放映できなかったのだろうな。やっぱりストリップ小屋には実際に足を運ぶべき所で、テレビの番組を見てストリップ小屋に行ったような気になってはいけないと思った。

オジサン先輩が二枚目の写真を撮るので「今度はケツをこっちに向けてお馬さんしてくれ。」と言う。お馬さん? どう言う事だ? キャロラインさんは慣れているのか、四つん這いで頭を向こう側、おしりを客席側に向けて人差し指と中指の二本指合わせて肛門が見えないように隠し、ニッコリ笑いながら顔もカメラの方へ向けたポーズをする。そう言う事か。それにしても女の子にこんな格好をさせて写真を撮るとか、ありえない。ともかく今撮った写真がオジサン先輩に渡された。これって持ち帰りが出来るのか。こう言うの初めて見た。

私はとてもオジサン先輩のようなことは出来ないので、写真を撮る事はしなかった。何人かのお客さんが写真を撮り、他に写真を撮ろうと言う人がいなくなったところでキャロラインさんは「Thank you very much. アリガトウ!」と言って舞台を引き上げた。

さて次の踊り子さんが出て来た。今度は日本人で普通にその辺にいるような、ちょっとグラマラスな熟女踊り子さん。スーパーマーケット帰りでもあるまいにカゴに何やらたくさん物が入っている。大根、ナス、キュウリ、ニンジン・・・ いったい何をするつもりだろうか。この人は踊りは踊らずに、最初からしゃべり倒している。その代わりにしゃべりは達者で客席をトークで盛り上げている。

「さてお立合い!これに取り出しましたのは、どこの八百屋でも売っている新鮮なお野菜各種。これから私がする事は極めて難しい技であり、インドの山奥にこもって厳しい修行を積んで会得した秘技、〇んこ飛ばしの術でございます。段取りをご説明いたしますと、私が無作為に指名するお客様に前に出てきていただき、私の〇んこから発射されるこれらの野菜を真剣白刃取りの要領でキャッチしていただこうと言うもの。見事に受け止められれば私の負け。お詫びにこのビニ本をプレゼントいたします! ただ~し! キャッチ出来なかったり落としたりした場合には、罰として金1000円を払っていただきます! 我こそはと言う人は手を上げて!」

え?これってストリップなの? こんなのテレビでは見た事ないけどな?と思っていると「おし!」と言う勇ましい声と共に、また私の隣にいるオジサン先輩が手を挙げている。「はい、じゃそこのお兄さんに決定!」そう言うとそのオバサン踊り子?さんが舞台の一番前に来て床に尻を付け、両足広げてニンジンをアソコに挿入、オジサン先輩は真剣な眼差しでニンジンをにらむ。

「準備はOK? ワン、ツー、スリーで飛んでくからね。いくよ! ワン、ツー、スリー!」ポン! と言う感じで勢い良くオバサン踊り子?の股間からニンジンが発射された! 「うおっ!」とオジサン先輩は声を上げ、後ろにひっくり返る。もちろんニンジンは受け止めきれず足元に落ちた。起き上がったオジサン先輩は笑いながら「ニンジン飛んでくるのが早くて見えなかったぜ。」と言う。客席は大爆笑!

オバサン踊り子?さんは「だ~めねぇ~! ではお約束の通り、1000円の罰金を頂戴いたします。」と言ってオジサン先輩から千円札を受け取っていた。そして「では次のチャレンジャーは、あなた。ここの若い子、ソウキミの事よ。」えーっ!オレ? いやボクはちょっとそう言うのは・・・ 舞台の上から指をさされて指名された私がパニックになっていると、「ウダウダ言ってないでこっちに来なさい!」とオバサン踊り子?さんが手招きする。マジかぁ・・・

私がオバサン踊り子?の前へ渋々行くと「どっから来たの? ストリップは良く来るの? えっ? 今日初めて? じゃぁこう言うとこ見た事ない?」と言って自分の股間を指さした。私が緊張して「は、初めて見ました。」と言うと「まぁ~そうなの? 今どきそんな人いるのね、カワイイ♪ なんならもっと近くに来て、旅のみやげにしたらいいよ(笑)」オバサン踊り子?と私の会話を聞いて、他のお客さんたちが冷やかすように大爆笑している。さすがにそこまで言われるとムッとした。

「じゃ、お若いお兄さんには特別にこの大根で。ちょっと重いからケガしないように頑張ってね。」そう言うとオジサン先輩の時よりも、ズルズルと舞台ギリギリまで近づいて来た。「あのぉ、さっきよりだいぶ近くないですか?」と私が言うと、オバサン踊り子?さんは「さっきのニンジンは小さくて軽い。大根は大きくて重い。そう言う事よ。」と言って「じゃ行くよ! 身構えて! ワン、ツー、スリー!」すっぽん! すごい勢いで大根が私の顔をめがけて飛んで来た! うひゃっ! と思わず声が出たが、私は見事にオバサン踊り子?さんの〇んこから発射された大根を受け止めた。

客席からおぉ~・・・ と言う声と拍手が上がる。我に返った私は「お、キャッチ成功♪」と喜んだが、オバサン踊り子?さんの態度が豹変した。とても冷たい声で「上手に受け止めたわね、やっぱ若い子は反射神経がいいからな、私の負けよ。」と言って約束通りビニ本を一冊カゴの中から出して私に渡した。オバサン踊り子?さんは再び態度を豹変させて愛想良く「さぁ、次のお方、チャレンジしたい人~!」と言って、何事もなかったかのように進行を進めている。

私の横にいたオジサン先輩が私の脇腹を人差し指で突っつきながら、ヒソヒソと私に言う。「あのなぁ、こういう場所では仮に大根受け止められても、失敗した振りをして落っことすのがオトナと言うものなんだよ、踊り子は最初に秘技だと言ってただろ? そういう時は相手の顔を立ててやるものなの。オーバーリアクションで場内盛り上げて、わざと大根落っことして、踊り子におこずかい稼がせてあげるのがストリップの客って言うもんだ! 言ってる意味わかるか?」

ん・・・ なんだかストリップって難しいんだな。会社の接待ゴルフみたいな感じ? と私が考え込んでいると、オジサン先輩は「ストリップってのはよ、やる方も見る方も、義理と人情と思いやりで成り立ってるんだよ、だから場内の空気を読めないと粋な遊び人にはなれない。オレを手本と思え。わっはっはっ。」

義理と人情と思いやりか。中々ストリップと言うものは奥が深そうだ。とまぁ、そんな出来事があってちょっとシュン・・・ としていた私に、ストリップ小屋からの帰り道、オジサン先輩が「あのよぅ、お前まだ独身だよな。さっき撮ったポラ、あれは家に持って帰ってカミさんに見つかるとマズいからお前にやるよ。」とブロンド外人踊り子キャロラインの写真を私にくれた。「いや、先輩が撮って買った写真ですし・・・」と言うと「さっきも言ったろ? ストリップは義理と人情と思いやりだって。そう言う事!」

私の生まれて初めてのストリップ体験は、このようなものでありました。やはり社会勉強は大事です。

(2020.08.06)

#2 時は来た! 初めてのストリップ小屋で見た世界(前編)

#3 時は来た! 初めてのストリップ小屋で見た世界(中編)

#4 時は来た! 初めてのストリップ小屋で見た世界(後編)