屋根裏談話室

#3 時は来た! 初めてのストリップ小屋で見た世界(中編)

ストリップ小屋の入口を前にして、壮絶な入場料の値段交渉と言う社会勉強をした。ともあれそのおかげで団体割引適用で一人頭2,500円と言う500円引きの格安価格でストリップ小屋へ入場する事が出来た。小屋の建物とか入口の感じは、どんな感じだったか全く覚えていない。とにかく入場料を払ってみんなで一緒にゾロゾロと中へ入って行った事だけは覚えている。

どこへ座ったらいいのかも分からないので、ともかく諸先輩方がするようにした。ところが気が付くと最前列、ちょうど一人の踊り子さんが舞台で踊っている真っ最中だった。良く見ると今踊っている踊り子さんは外人さんで、ストレートの長いブロンドヘアーにカウボーイハットを被っている。そしてカーキー色の皮のベストを素肌の上に羽織っていて、デニムのホットパンツに長めのウェスタンブーツ姿である。スリムでスタイルの良い PLAY BOY誌のグラビアにでも載っていそうな人である。

不意に隣から手が伸びて来て私の肩をバシバシ! と叩きながら、先ほどストリップ小屋の入口で値段交渉をした先輩のオジサンがヒューヒュー言いながら「いいねーちゃんじゃねぇか! ブロンド娘だぜ! はっはぅはっ!」と私に言う。ストリップを楽しむのはいいが、いちいち私を叩きながら言うのはやめてもらいたい。ここへ来る前の宴会で酔っ払ってるから力の加減ってもんが無い。

アメリカン・カウボーイ風の踊り子さん、いよいよ服を脱ぐのかカウボーイハットを沢田研二のように舞台のすみへ投げた。ブロンドのサラサラ・ロング・ストレートの髪がフワリと乱れる。ヒューヒュー! と言う歓声が客席のあちこちから上がる。そんな空気感の場内を少しも気にする事なくブロンドの踊り子が羽織っていたカーキー色の皮のベストに手をかけた。客席にくるりと背中を向け、ついにベストを脱いだ! ストリップの始まりじゃぁ~! 私の心臓がドキン、ドキンと乱れ打つ。今まさに私の目の前で女の裸の胸があらわになろうとしている。背中をこちらに向けていたブロンドの踊り子さんが皮のベストをストーンと床に落とすと、クルリと客席側を振り返るようにして向いた。

白く細長い両腕をクロスさせて大切な胸を隠している。「キャロライン~! 腕どけて~!」また私の隣にいた値切りの先輩オジサンが声を上げているのだが、キャロラインって? どこからその名前が出て来たんだ? 「あの人、キャロラインって名前なんですか?」と値切りオジサンを指で突っつきながら聞いてみると「外人だろ、外人はみんなキャロラインでいいんだよ。」と教えてくれた。

そんな事よりそのキャロラインがゆっくりと両腕を胸のふくらみの上を滑らせるように移動させている。するとプルン! とわずかに胸が揺れてすべてが公衆の面前にさらされた。ぎゃおぉぉぉっ! と言う歓声が上がり、客席は興奮のるつぼとなる。私は本物の女のおっぱいを目の当たりにして言葉を失っていた。ブロンドの踊り子キャロラインはその長い髪と腰を揺らしながらホットパンツに手をかける。ぬ、脱ぐのか、じらせるのか? キャロラインはホットパンツのボタンを外し、ジッパーを半分だけおろしたところでダンスの続きを踊り始める。

私の脳裏にかねてからずっと疑問に思っていたある事が浮かび上がった。金髪の外人って下の毛も金髪なんだろうかと言う哲学的な疑問である。エロ本ではその部分がいつも黒く塗られているか、強くぼかされていたので確認する事ができないのだ。黒く塗られていると言う事は、その下の毛は黒いので黒く塗ったのではないか。強くぼかされている場合はその下の毛も金髪なのでそのように強くぼかしたのではないか。だとすると、金髪の外人には髪は金髪、下の毛は黒と言う人と、髪も金髪、下の毛も金髪と言う二通りの人がいるのではないだろうかと言うのが私の見解であった。

しかし、永年の私の哲学的疑問は今間もなく解明されようとしてる。★昭和の時代のエロ本にはヘアヌードなんて無かった。今の時代では考えられないかも知れないが。

金髪のキャロラインが再びホットパンツのジッパーを細い指先でつまんだ。そしてゆっくりとそれを引き下げて行く。そこに見えたのは赤いパンティーだった。そうか、パンティーをはかないで直接ホットパンツをはくと毛がジッパーに巻き込まれて大惨事になるからな。それにしても赤いパンティーとはいかなる事ぞ。

脱ぎ捨てられたホットパンツは床の上に転がってる。そして金髪の赤パンティーをはいたキャロラインは床にすわり、ウェスタンブーツを左足から脱ぎ、右足もスッポンと脱いだ。もはやキャロラインの身を守るものは、赤い小さなパンティー一枚のみとなった。客席では興奮したお客がこぶしを振り上げ、あと一枚、あと一枚!とはやし立てている。もはやキャロラインは断崖絶壁のガケに追い詰められ、後ろを振り返っても逃げ場はない。さぁ、どうするキャロライン! テレビならここで船越英一郎がキャロラインを説得し、パンツを脱いではいけない、キミの大切な所を守る唯一残されたお守りのようなものじゃないか! さぁ、何も心配はないからゆっくりとこっちに来なさい! となるところだろうが、あいにく今船越英一郎はここにはいない。

床に寝ころびながら金髪の踊り子キャロラインは赤いパンティーをつるん! としたヒップに滑らせながら脱いだ。客席からはあたかもいくさで勝った武田信玄がエイエイオー! と勝どきの声を上げるが如く、満足感に包まれた。だが私は哲学的疑問の解消をするため、キャロラインの太ももの付け根のY地点を凝視した。金髪だ。まぎれもなくちじれた短い毛は金髪だった。やはり、髪の毛が金髪の外人さんは下の毛も金髪だった。黒く塗られた場合も、強いぼかしが入っている場合も、編集・印刷の都合でそうなっているだけで、その下には金髪の毛が隠されていた。

(2020.08.05)

#2 時は来た! 初めてのストリップ小屋で見た世界(前編)

#3 時は来た! 初めてのストリップ小屋で見た世界(中編)

#4 時は来た! 初めてのストリップ小屋で見た世界(後編)